(2)どの種類の建設業許可を取得したらいいか?

建設業の許可は、次のような区分と業種に分けられています。
 ご自身の事業活動をふまえて、どの種類の許可が必要なのかを判断して取得する必要がありますので、それぞれの違いをご紹介します。
 「どの種類の建設業許可を取得したらよいのか?」、「もっとも有利に事業展開していくにはどうしたらよいか」、など、判断に迷われる場合は、どうぞ当事務所にご相談ください。

 

大臣許可と知事許可

 建設業の許可には、大臣許可と知事許可があります。
 どちらの許可を取得するかは、営業所をどこに置くかで判断します。
 建設業の営業所が、同一の都道府県内にのみある場合は知事許可を受け、2以上の都道府県に営業所がある場合は大臣許可を受けることになります。

 

大臣許可 ・営業所が2つ以上の都道府県に設置されている場合
知事許可

・営業所が本店のみの場合
・営業所が2つ以上あるが、同じ都道府県内に設置されている場合

 ※工事現場の場所で判断するのではありませんから、工事現場の制限はありません。

 

「営業所」とは
 営業所とは、本店や支店など、常時建設工事の請負契約を締結する事務所を営業所といいます。常時請負契約を締結する事務所とは、請負契約の見積や入札など請負契約締結に係る実体的な行為を行う事務所のことです。したがって、工事をするために設置された作業所等の事務所は営業所に該当しません。

 

 

特定建設業許可と一般建設業許可

 建設業の許可は、特定建設業許可と一般建設業許可に分かれています。
 特定建設業許可か一般建設業許可かは、元請として下請に発注する額により判断します。

 

特定建設業許可 元請で請け負った工事について、下請に発注する請負代金の合計が4000万円(建築一式工事は6000万円)以上になる場合に必要。
一般建設業許可 上記以外の場合

 

 特定建設業許可と一般建設業許可では、元請工事について下請に発注できる金額の範囲が異なりますが、発注者からの請負額には制限はありません。なお、特定建設業許可は、一般建設業許可よりも技術者要件や財産要件が厳しくなっています。

 

 どちらの許可を受けるかは、次の「建設業許可の業種ごと」に判断します。
 (例:土木一式は特定建設業許可を取得、建築一式は一般建設業許可を取得。)

 

 

建設業許可の業種

 建設業の許可は、営む建設業の内容に応じて、以下の種類(全29業種)ごとに受ける必要があります。

 

一式工事 土木一式工事、建築一式工事
専門工事 大工工事、左官工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、屋根工事、電気工事、管工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、ほ装工事、しゅんせつ工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、機械器具設置工事、熱絶縁工事、電気通信工事、造園工事、さく井工事、建具工事、水道施設工事、消防施設工事、清掃施設工事、解体工事

 

「一式工事」について
 一式とありますが、この一式は何でもできるという意味ではなく、一式工事は土木(建築)系工事のオールマイティな許可ではありません。
 一式工事は、施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工確保のための工程・安全・品質管理、下請負人間の調整や指導監督を行いながら土木工作物や建築物を建設する工事のことをいいます。
 基本的には、元請の立場で総合的にマネージメントする業者が取得する業種ですが、工事の規模や複雑性から見て総合的な企画、指導や調整が必要であり個別の専門工事として施工することが困難な工事や、2つ以上の専門工事を有機的に組み合わせて土木工作物や建築物を造る工事(附帯工事は含みません)も一式工事に該当します。

 

電気工事業、解体工事業、浄化槽の工事については、軽微な工事のみを請け負う場合であっても、登録が必要となることがありますので、ご注意ください。